国債は誰が買っているの?

誰が国債を買っているのか借金のうち、国の借金である国債について、さらに掘り下げた話をしよう。

国債は国の借金だから、国がお金を借りるからには貸してくれる人が必ずいる。誰が国にお金を貸しているのだろうか。日本人は国に多くお金を貸しているのだろうか。しかし、日本人の中で、個人で国債を買って持っている人は珍しい。

つまり、日本人は、個人のお金としてはごくわずかしか国に直接貸していない。これを統計で裏付けると次のようになる。日本の家計をおしなべて見ると、家や土地、車、金融資産などを全部含めた自分の財産のうち、国債の形で持っているのは、たかだか四%に過ぎない。

これには、一時高利回りで流行った「中期国債ファンド」なる金融商品は含まない。なぜならば、「中国ファンド」を買った家計は、国債を直接買ったわけではないからである。「中国ファンド」のしくみは、証券会社で「中国ファンド」なる金融商品の購入に応募した家計から集めたお金を、証券会社(投資信託会社)が中期国債(満期が二~五年の国債)を中心に投資して収益を上げて、お金を出した人に返すものである。

だから、国債を買ったのは「中国ファンド」を買った家計ではなく、証券会社(投資信託会社)である。日本の家計は国債をあまり買っていない。すると、誰が国に貸しているのだろうか。

それは、金融機関である。二〇〇〇年度末の時点で、民間銀行が二二・七%、民間保険会社が六・九%、公的金融機関(資金運用部等)が一九・八%、郵便貯金・簡易保険が一四・〇%、日本銀行が一一・九%、その他の金融機関が一三・八%、公的年金の積立金等(社会保障基金)が二・七%、民間法人企業が〇・二%、家計が二・五%、海外が五・二%、その他が〇・三%という構造になっている(出典・日本銀行『資金循環勘定』)。

公的金融機関、郵貯、公的年金、日銀など、公的な機関が保有している割合がおよそ半分を占めている。私達が稼いだ所得の一部を銀行や郵便局に預けた貯金の多くが、私達が望むと望まざるとにかかわらず、国債を買うために充てられている。それだけではない。

民間の保険会社や郵便局の簡易保険を通じて掛けた生命保険の掛け金(保険料)や、給料から天引きされた厚生年金・共済年金(これらをまとめて公的年金という)の積立金なども、保険会社や国から保険金や年金給付として戻ってくるまでの間は、その多くが国債に注ぎ込んでいる。つまり、それだけ多くのお金を国に貸しているのである。だから、一見すると私たちは国に直接お金を貸していない(国債を買っていない)かもしれないが、実は金融機関を通じて多くのお金を国に貸している状態になっているのである。

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