経済規模の大きい地域

経済規模の大きい東京、近畿、東海、南関東、北関東といった都市部では、経済成長率が低くなっている。おまけに、これらの都市部では、与党得票率が低く一人当たり公共投資額が相対的に少ない。

日本全体でみて、経済規模の大きい都市部で経済成長率が低くなっていたために、この時期の景気は(わずかに回復したとはいえ)低迷していたのである。そもそも、景気対策とは、公共事業などの財政支出を行って、経済成長率を高めることを主眼にした政策を意味している。公共事業を多く注ぎ込めば、それだけ経済成長率が上がる可能性が高まる。

だから、公共事業を積極的に行って経済成長率を高められなければ、景気対策としては失敗といわざるを得ない。

この時期の公共投資による景気対策は、景気が回復したと日本国民の多くが実感できるほどの効果はなかった。確かに公共投資を行わなければ九〇年代半ばにもマイナス成長(経済成長率がマイナス)になっていたかもしれない状況だった。しかし、それを公共事業などで一%程度という低い成長率に押し上げただけにとどまった。もしこの結果が、政府が景気をよくするために最大限努力して公共事業を行った結果だとすれば、政府の努力を評価してもよい。

つまり、この時期政府が公共事業の地域配分をもっと工夫すればもう少し景気がよくなったはずなのに、それを怠った、といえる。この時期の公共投資の地域配分は、地方部に手厚く、都市部には少なかった。もし日本経済全体の景気をよくしようと公共事業を効果的に行うなら、経済規模の小さい地方部ではなく、規模の大きい都市部で積極的に公共事業を行うべきだった。

特に、日本経済の二大拠点である東京、大阪(近畿)でマイナス成長になっていたのは、致命的だった。東京や大阪には、都市の再開発や交通網などインフラを整備すべきところがまだまだある。だから、この時期に東京や大阪に公共事業を行う余地がなかった、というのはウソである。北海道や四国、九州への公共事業に回すお金を、東京や大阪での公共事業に充てていれば、東京や大阪という日本経済の牽引役となる地域で経済成長率が高くなり、その波及効果も考えれば、この時期の日本経済の経済成長率はもう少し高くなっていたはずである。

都市部に公共事業を手厚くし、地方部での公共事業を減らす、という政策を提言すると必ず次のような反論が返って来る。地方部は農業と建設業しか地域を支える産業がなく、公共事業がなければ地元経済は成り立たなくなってしまう。

だから、地方部での公共事業は減らすべきでない、と。しかし、これには無視できない先入観が背景にある。その先入観は、地方部の経済は疲弊していて、都市部の経済ばかり活況を呈している、という先入観である。都市部では、製造業、サービス業などたくさんの産業と雇用の場があるが、地方部では農業と建設業しかなく雇用の場が少ない、という潜在的な認識である。確かに、八〇年代のバブル景気まではそういえた。

九〇年代中葉、日本経済では、都市部でマイナス成長、地方部で積極的に公共事業を行ってプラス成長になっていた。それは、都市部にたくさんの産業があってもである。

それなのに、地方部に重点的に公共事業を行っていてよいのだろうか。極言すれば、都市部の経済をダメにしてでも、地方部の経済さえよければそれでよいのか。この時期の都市部の経済は、地方部の経済よりも経済成長率が低く悪い状態にあった。この事実に直面すれば、公共事業がなければ地元経済がダメになるから地方部に手厚く配分せよ、という主張はむなしさだけが残る。

その意味で、この時期の政府の公共事業による景気対策は、経済全体として有効に機能しなかったといえる。しかも、それは政府の景況判断の誤認というより、与党議員の地域的に偏った政治的影響力の結果がもたらしたものだった。この事実は、場所はどこでもよいから公共事業さえ行えば景気がよくなる、とはいえない状態にあることを十分に認識する必要性を、国民や政治家に教えている。

     

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